角川映画 「復活の日」

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通勤電車内で時間を弄ぶ時に助かります。前にも「宇宙円盤大戦争」「空飛ぶ幽霊船」「宇宙からのメッセージ」なんかを観たと記事にしましたが、テレビで放映されないような微妙な作品が視聴できて嬉しいです。

そんな中、自分がまだ小さかった頃、CMか何かで印象に残っていた「復活の日」を視聴しました。
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以下ネタバレを含みます。

まずは1980年の作品として、ハリウッドや日本の超一級の俳優を使う豪華さ、「真田丸」で渋いお父さん役をやっていた草刈正雄がギラギラした若さ溢れる、日本人離れした風貌で南極隊員役(吉住)で活躍します。また、多岐川裕美がその妻役とて出ており、美しく病的な色っぽさが素敵です。

調べてみると、南極で本当にロケをしたり、本当の潜水艦を借りたりと相当無茶をしたらしく24億円も制作費がかかって赤字になったとか。さすが、変態・天才の角川春樹氏の作品ですねえ。

原作は小松左京の作品で、生物兵器として軍事目的で開発されたウイルスが世界に蔓延して脊椎動物・人類は全滅、南極(氷点下以下ではウイルスは無毒化・そして孤立した場所なので)に残された人々がその後も災難に見舞われ、ごくわずかな人数になるも希望を残し終わるという作品。

ツッコミどころとして、まず、ウイルスと細菌とごっちゃになっている。ウイルスは宿主に入らないと増殖はできず、それ自体に放射線を当てたりしてもそれに対する抗体などできないのにそんな設定になっていた。

なぜか周りは病人・死人だらけなのに多岐川裕美の看護婦だけはかろうじて生き延びていて、誰もいないベッドタウンの団地へフラフラ歩き始めます。そこで、知り合いの南極隊員の自宅でこれも生き延びていた子供をつれて、東京湾までいってボートにのって「パパーって叫ぶのよ!」と子供に「パパ!」と呼ばせて、体が温かくなる薬よと子供と自分も飲んで、そのシーンは終わってしまいます。
この後も何か展開があるのか(生き残っていて、ウイルス耐性ワクチンの元になるとか)?と思ったら何もなく、たぶん、絶望して心中したと思いますが、なんともシュールなシーンだなと思いました。

南極には男が800名程度、そして女は8名!人類の子孫を残すため女性は複数の男性と関係を持つ必要がでてきました。一年後には女性はみんな妊娠・子供を産んでいました。電車の中で視聴していたので、やばいシーンが出てくるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、大丈夫でした戦国自衛隊はアレでしたからねえ。

漫☆画太郎に出てくる婆ぁの様な顔をした参謀長が自動報復装置(ARS)を作動させて絶命し、その装置を止めるべく吉住らがワシントンへ向かうのですが、大地震が発生。軍事的に核ミサイルにも耐えられる場所と思われるところでしたが、色々壁や扉が落ちてきて仲間は絶命、そしてARSが発動!核ミサイルが発射され、その報復のためソ連からも発射!その一つが南極基地も目標になっていて、人類は二度死んだ!のです。

しかし!吉住は生き残っていて、なんとワシントンから北米、南米を歩き南極の生き残りの仲間たちと最後にめぐり合うのでした!!

事前に放射能をウイルスに当ててできた抗体?を使ってできたワクチンが出来上がっていて、それを摂取していたので、吉住は発病せずに済んだようです。

放射能が蔓延している環境で、ワシントンDCからチリ南端フェゴ島までは多分12000km、人が1日32kmぐらい歩けるとなると一応は一年ちょっとでいけますが、途中マチュピチュなんかの遺跡の中も歩いていますから、山あり谷ありだったでしょう?って不可能では?もしかしたら放射能で体が強化された??途中温帯地帯の海で魚を捕まえるのですが、あれ南極以外の脊椎動物は死滅したんじゃないの?

吉住は南極からワシントンに向かう前に、黒髪のノルウェー人女性(お産を助けてあげていた)と交わるのですが、そのとき「本当なら私にも黒髪の妻がいて、子供ができていたらその子も黒髪だろう」と語っていたので、最後彼女がでてくるとき予定調和なら一緒に黒髪の子も出てくるだろうと思ったらら出てこない。

ウイルスは核ミサイルの放射能で無毒化されたのだが、残った人類は数名。アダムとイヴとなって人類は「復活の日」を迎えるのだろうか?エンディングは元気なペンギンさんがたくさんでてきたので、これからはペンギンが地球を納めるのではないだろうか?と感じさせられる最後でした

とにかくも、この時代でウィルスパンデミックと核の恐ろしさを表現した映画、日本がノリノリでお金を使ってこんな大作を作っていたのは嬉しいことです。

当分、Amazonプライムビデオで楽しめそうです。